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Q&A 遺 言

  

Q14 遺言執行

 遺言を書いても、死んだあと確実に執行されるか不安です。どのような方法がありますか。

A14

1. 公正証書遺言
 まず、普通方式遺言には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類がありますが、確実性を期するのでしたら、公正証書遺言を作成するとよいでしょう。
 公正証書遺言は、遺言者が、公証人の面前で、遺言の内容を口授し、それに基づいて、公証人が、遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成するものです。
 公証人は、多年、裁判官、検察官等の法律実務に携わってきた法律の専門家で、正確な法律知識と豊富な経験を有しています。したがって、複雑な内容であっても、法律的に見てきちんと整理した内容の遺言にしますし、もとより、方式の不備で遺言が無効になるおそれも全くありません。公正証書遺言は、他の遺言方法と比べて、安全確実な遺言方法であるといえます。また、原本が必ず公証役場に保管されますので、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりする心配も全くありません。
 なお、公正証書遺言をするためには、遺言者の真意を確保するため、証人2人の立会いが義務づけられています、適当な証人が見当たらない場合には、公証役場で紹介してもらうことができます。
2. 遺言執行者の選任
 有効に作成された遺言をその内容どおり執行されるためには、遺言執行者を遺言書の中で指定しておくとよいでしょう(民法1006条)。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために特に選任された人、相続人の代理人となる人です。民法第1006条以降に規定があります。遺言の内容によって、遺言執行者のみが執行できるもの、遺言執行者以外の相続人でも執行できるもの、そもそも執行を必要としないものに分類することができます。分類は次のとおりとなります。

(1)遺言執行者のみが執行できるもの
 ①認知、②推定相続人の廃除・取消
 この場合は、遺言執行者が必要で、もし遺言執行者がいないときは、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらわなければなりません。
(2)遺言執行者または相続人が執行できるもの
 ①遺贈、②遺産分割方法の指定、③寄付行為
 ただし、遺言執行者の指定がなされている場合は、相続人は執行できませんから、遺言執行者が執行することになります。
(3)遺言の執行を必要としないもの
 ①相続分の指定、②遺産分割の禁止、③遺言執行者の指定など被相続人の死亡と同時にその効力が生じ、それ以上に遺言を執行する余地のないもの。

 遺言執行者をおかなくても、相続人が自分たちで執行できるものもありますが、遺言はしばしば相続人の間で利益が相反する内容も多く、相続人全員の協力が得られない場合があります。そうした場合には遺言の内容を第三者の立場から忠実に、かつ、公平に実行してくれる遺言執行者を指定しておくことが賢明です。
 なお、法律上、遺言執行者は誰でも選任できることになりますが、様々な法律行為を行うことから、弁護士を選任しておく方が好ましいでしょう。

                        (弁護士 田中 康道 ・ 弁護士 千崎 史晴)

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