遺言、相続に関する正確な情報提供をいたします。

Q&A 遺 言

  

Q16-1 遺言の内容の変更1

 前に遺言を書いたのですが、遺産にしようと考えていた財産のうち株式をお金が必要になって売ってしまいました。遺言を書き直さなくてはいけませんか。

A16-1

 遺言を作成した後でも、遺言者は自由に遺言に抵触する行為や矛盾する行為(処分行為)を行うことができ、遺言と抵触する部分については撤回されたとみなされることになります(民法第1023条2項)。ここでいう処分行為には、具体的には売却や贈与や交換などいった法律行為だけでなく、捨てたり壊したりといった事実行為も含まれます。
 この場合、遺言を書き直す必要はなく、当然に遺言と抵触する部分については撤回されたとみなされることになります。遺言をした人の最終(死亡時に近い時期)の意思を尊重するという趣旨に基づく規定であります。
 設問のように、遺産にしようとしていた株式を第三者に売却してしまった場合、遺言を書き直さなくても、相続人は株式を相続できないことになります。
                        (弁護士 田中 康道 ・ 弁護士 千崎 史晴)

Q16-2 遺言の内容の変更2

 相続人である次男に子供ができたので、次男の相続分を増やしてやりたいと思います。前に書いた遺言の内容を変更するにはどうしたらよいですか。

A16-2

 遺言はいつでも自由に内容を変更したり、或いは撤回することができます(民法1022条)。一般に、法律行為は自由に撤回することができないのが原則ですが、遺言は遺言者の最終の意思を尊重する制度ですので、自由な変更、撤回が認められています。
 遺言の撤回にあたっては、遺言の方式に従って行うことが必要です。有効な遺言書を作成して変更や撤回を行う必要があります。しかし、撤回の対象となる遺言と同じ方式を取る必要はありません。たとえば、公正証書で行った遺言を変更したり撤回したりする場合、自筆証書遺言で行うこともできます。ただ、変更の範囲を明確にする記載にするよう心掛ける必要があります。
                        (弁護士 田中 康道 ・ 弁護士 千崎 史晴)

↑ PAGE TOP