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Q&A 遺 言

  

Q19 遺言の有効性

 父の遺品を整理していたら、机の引き出しの中から、①封筒に入っていないワープロ書きの遺言が出てきました。父が使っていたパソコンを見ていたら、ワープロ書きより日付の新しい②遺言のデータが出てきました。①や②は有効な遺言ですか。

A19

 自筆証書遺言の法的要件として、「全文を自書する」というものがあります(民法第968条第1項)。これは読んでその通り、「自分の手で書く」事が必要であり、ワープロやパソコンはもとより、人に書いてもらったり点字機を使用して書かれたものなども無効になります。
 設問のように、①封筒に入っていないワープロ書きの遺言及び②遺言のデータは、いずれも自書したものではないので自筆証書遺言として有効とはなりません。
 これに対して、秘密証書遺言であれば、自筆でも代書でもワープロで作成しても構いません。ただ、自筆で署名し、押印する必要があります。また、遺言者がその証書を封じ、証書に用いた印章を以ってこれを封印しなければなりません。設問の①は印章で封印された封筒に入っていないものですので、秘密証書遺言としても有効にはなりません。
 したがって、①②とも遺言の方式に従ったものではないので無効となります。

                        (弁護士 田中 康道 ・ 弁護士 菅原 仁人)

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