遺言、相続に関する正確な情報提供をいたします。

Q&A 遺 言

  

Q6 第三者に遺贈するときの文言

 私は札幌に住んでおりますが同居の親族はおりません。親族で生きているのは、長崎に住んでいる甥と福井に住んでいる姪だけですが、ここ30年くらいまったく没交渉です。普段、私の身の回りの世話をしてくれているのは隣家の奥さんです。ここまでお世話になったお礼に隣家の奥さんに財産を残したいと思うのですが、可能でしょうか。

A6

 遺言で、「私○○は、△△(隣家の奥さんの氏名)に対し、□□を遺贈する。」旨を書けば可能です。兄弟姉妹の子である甥や姪というのは、子、孫、直系尊属、兄弟姉妹が全て死んでしまっているときには相続人となります(民法889条1項2号,同条2項,民法887条2項)。したがって、このケースでの相続人は甥と姪の2人であるということになります。  

 さて、相続人がいるときに相続人ではない第三者に遺産を与えるには、遺言で第三者に財産を与える旨を明確にしなければなりません。そのとき、「私○○は、△△(隣家の奥さんの氏名)に対し、□□を遺贈する。」と書いていただきたいと思います。
 遺言書では、相続人に財産を与えるときは「相続させる。」、相続人以外の第三者には相続権はありませんから「遺贈する。」と書くのが一般的です。もっとも、相続人以外に「相続させる。」と書いた場合でも、「遺贈する。」の意味であると読み替えて、せっかくの遺言を無効としない取扱いが一般的ですが、誤解が生じないように、相続人以外の第三者の場合には「遺贈する。」と書いて下さい。そして、遺贈を行う時にも、相続人の遺留分を侵害する場合は遺留分減殺請求が可能となりますから注意が必要です。
 ところで、相続人が兄弟姉妹及びその代襲者(つまり甥や姪)の場合は、遺留分がありません(民法1028条柱書)。したがって、問題のケースでは「私○○は,△△(隣家の奥さんの氏名)に対し,私の財産の全てを遺贈する。」と書いても甥や姪の遺留分を侵害することはなく、遺産の全てを隣家の奥さんに残すことができます。

                      (弁護士 中島 圭太朗 ・ 弁護士 平松桂樹)

↑ PAGE TOP