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Q&A 成年後見

  

Q4-1 成年後見人になるのは誰か

 成年後見制度を申し立てた場合、私が母の成年後見人になることはできますか。私でなければ、誰が成年後見人になるのですか。

A4-1

 成年後見人を決めるのは裁判所ですので、あなたがお母様の成年後見人になる保証はありませんが、あなたがお母様の成年後見人になれる可能性が高いかどうかについて、3つの場合に分けてお話をします。

 第一に、お母様のご親族全員が、あなたが成年後見人になることに賛成している場合を考えましょう。この場合は、あなたが成年後見人になる可能性が高くなります。但し、お母様の財産が例えば数千万円と多額である場合や、管理が難しい財産、例えば賃貸マンションなどが含まれている場合などは、弁護士や司法書士といった専門家が成年後見人に選任されることがありますし、ここでは詳しくは述べませんが、後見信託という制度の対象になることもあります。
 第二に、お母様のご親族の間で、あなたが成年後見人になることに反対する人がいる場合を考えてみましょう。この場合、裁判所は、その反対の理由を聞いた上で、誰を成年後見人にするか判断することになりますが、あなたが成年後見人になることに全員が賛成している第一の場合に比べて、あなたが成年後見人になれる可能性は低くなります。この点はQ7もお読みください。
 第三に、あなたとお母様、あるいはご親族との間で、何らかの紛争や仲違いが起こっている場合は、残念ながら、あなたが成年後見人になる可能性は極めて低いといえます。
 あなたが成年後見人にならない場合は、既に少し触れましたとおり、他のご親族か、弁護士や司法書士等が選任されることが多いといえます。ただ、いずれの場合にせよ、あなたがお母様の成年後見人になりたいのであればそのお気持ちやあなたがお母様の面倒を従前から見てきたのであればそのような事実を、書面にしたためて、裁判所に伝えるのがよいでしょう。

 ところで、成年後見人は、本人の財産管理をするのが仕事であって、お母様の日常生活の面倒をみるのは成年後見人ではありません。お母様の日常生活の面倒は、あなたをはじめとするご親族や、病院、又は施設等が行うことです。ですから、あなたが成年後見人にならなくても、あなたがお母様の日常生活の面倒をみることができる場合があります。この場合は、成年後見人がお母様の財産を管理し、あなたがお母様の日常生活の面倒をみるという役割分担になります。
 なお、あなたがお母様の成年後見人になる方法として、お母様の判断能力が低下する前に、あなたがお母様の後見人になるという契約をするという方法があります。これを「任意成年後見契約」といいます。詳しくはQ10をご覧ください。
                        (弁護士 平松 桂樹 ・ 弁護士 宮崎 正直)

Q4-2 成年後見人になるのは誰か (親族が反対している場合)

 私は母が痴呆になってからも面倒を見るつもりですし、母も同意してくれていますが、兄弟が反対しています。この場合、私たちの希望を叶える方法はありますか。

A4-2

   

 成年後見の申立に当たっては、申立人が成年後見人の候補者を推薦するのが原則ですが、家庭裁判所はあくまでも成年後見人に適切な人を家庭裁判所の判断で選任しますので、必ずしも希望が通るとは限りません。
 実務上は申立の際に利害関係者(本人の推定相続人)の同意書を取り付けたり、申立後に家庭裁判所が利害関係者に意見を求めることが行われています。その結果、申立人から推薦された成年後見人候補者が利害関係者から反対されるなどした場合には、中立公正な立場にある第三者(弁護士,司法書士や社会福祉士等)が選任されることが多いようです。

 今回のケースでも家庭裁判所の個別判断となりますが、監護方針や財産に関して兄弟間で争いがあるような場合には、仮にお母様が同意してくれていたとしてもあなたが成年後見人に選任されるのは難しいでしょう。このような事態を避けるためには、お母様がしっかりしているうちに、任意後見制度を利用すべきです。任意後見制度についてはQ10を参考にしてください。
                       (弁護士 千崎 史晴 ・ 弁護士 森越 壮史郎)

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