遺言、相続に関する正確な情報提供をいたします。

Q&A 成年後見

  

Q5 成年後見人の権限と義務

 私が母の成年後見人になった場合、どのようなことができるのですか。また、成年後見人として、どのような負担や義務があるのですか。

A5

 本人(判断能力が失われた人)に成年後見人が選任されるということは、本人が自分で財産を管理できず、また適切な判断をすることができない状態ですので、成年後見人には本人のために広い権限が与えられます。
 具体的には、①本人の財産を管理する権限 ②財産に関する代理権 ③本人が成年後見人に無断で行った行為の取消権が挙げられます。

 ①について、成年後見人は本人名義の預金の出し入れや財産の処分ができます。ただし、処分できる財産には制限があります。
 ②について、例えば、本人が利用する福祉サービスの利用契約、施設・病院等への入所契約、住居の賃貸借契約などを、本人に代わって締結することができます。
 ③について、例えば、本人が悪徳商法の訪問販売業者から高額な商品を買わされたり、必要のないリフォームや耐震補強工事などを契約させられたりした場合でも、後見開始後に締結した契約であれば成年後見人が契約を取り消せます。
 以上のように成年後見人には広い権限がありますが、その反面、成年後見人には重い義務が課せられています。

 成年後見人は、他人の財産を管理することから、自分の財産を管理する以上の厳格で適切な管理を行う義務があります(善管注意義務)。本人の財産と後見人自身の財産を混同させてはならず、本人の財産を使い込むなど本人の利益に反することをしてはいけません。本人の財産を適切に維持管理し、支出や処分の場合には正当な理由が必要です。
 また、成年後見人は、あくまで本人のために選任されますから本人の意思を尊重し、その身上に配慮する義務(身上配慮義務)もあります。例えば、本人の身の回りの世話をする必要がある場合には、本人の世話をすることまでは後見人の仕事とされていませんが、本人が適切な支援を受けられるような福祉サービスの手配を行います。
 成年後見人は、家庭裁判所の監督を受けます。家庭裁判所に対して、後見開始時に本人の財産目録、後見予算表を作成して提出するとともに、その後も年1回程度、後見の事務に関して家庭裁判所に報告をする義務があります。

                        (弁護士 千崎 史晴 ・ 弁護士 原 琢磨)

↑ PAGE TOP