遺言、相続に関する正確な情報提供をいたします。

Q&A 相 続

  

Q2‐1 相続分 ~連れ子の相続権!?~

 私は、若いころにある女性と結婚してA男が生まれましたが、その後、離婚しました。A男の親権者は母親で、離婚後、A男とは会っていません。最近、別の女性と結婚しましたが、その女性も以前別の男性との間に結婚歴があり、その男性との間にB子が生まれています。現在は、新しい結婚相手とB子の3人で同居しています。私が今亡くなったときには、今の妻だけではなくB子も相続人ですよね。

A2‐1

 B子さんが相続人となるかどうかは、ご相談者とB子さんが養子縁組をしているかどうかによります。
 民法では「子」が第1順位の相続人とされており(民法第887条第1項)、実子と養子が「子」にあたります。ご相談者がB子さんと養子縁組をしていると、B子さんも相続人ですが、B子さんと養子縁組していないと、B子さんは相続人にはなりません。ちなみに、ご相談者はA男さんの親権者ではありませんが、親権の有無と相続人となるかどうかは関係なく、A男さんは、ご相談者の「実子」ですのでご相談者の相続人です。
 ですので、ご相談者がB子さんと養子縁組している場合には、各相続人の法定相続分は、現在の奥様が2分の1、A男さんが4分の1、B子さんが4分の1です。ご相談者がB子さんと養子縁組していない場合には、各相続人の法定相続分は、現在の奥様が2分の1、A男さんが2分の1です。なお、現在の奥様とB子さんだけに財産を相続させたい場合には、遺言の利用が考えられます。
                      (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 中島 圭太朗)

 

Q2‐2 相続分 ~孫が相続できる場合とは~

 私には妻と長男一人がおりましたが、昨年に妻を亡くしました。長男には嫁と私にとっては孫にあたる5歳の子ども1人がおります。先日、その長男が病気で亡くなってしまいました。私には不動産がありますが、私が亡くなると私の財産は、誰が相続するのでしょうか。できれば孫に残してやりたいのですが。

A2‐2

 ご相談者の財産は、お孫さんが相続します。
 民法上、「子」が相続人になりますが、ご相談者がお亡くなりになった時点で、その「子」もお亡くなりになっている場合、その「子」の「子」、つまり、お孫さんが相続人になります。このように、相続が問題となる方の死亡時にそのお子さんも既に死亡しているがお孫さんがいる場合に、お孫さんが相続人となる制度のことを代襲相続と言います(民法第887条第2項)。
 ただし、未成年者であるお孫さんが相続した財産を処分することはできませんので、お孫さんの親権者であるご長男の奥様がお孫さんの相続した財産を実際に管理することになります。
 なお、お孫さんがお嫁さんのいわゆる連れ子である場合には、ご長男とお孫さんとの間に養子縁組があるかどうかで結果に違いが生じます。
                      (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 中島 圭太朗)

 

Q2‐3 相続分 ~内縁の妻の不安~

 私には、内縁の夫がいます。数十年間、連れ添っていますが籍は入れていません。というのも、内縁の夫は以前結婚していたのですが、その結婚相手の反対で離婚できないままになっているからです。内縁の夫は、自分が亡くなったときには私が財産を相続できるから心配ないと言ってくれているのですが、私は本当に財産を相続できるのでしょうか。

A2‐3

 ご相談いただいたご事情のままですと、ご相談者が内縁の夫の財産を相続することはできません。
 民法では「配偶者」を相続人と定めていますが(民法第890条)、その配偶者には法律上の婚姻をしていない内縁関係にある方を含みません。ですので、ご相談者の方は、内縁の夫から財産を相続できません。法律上結婚したままになっている相手方に財産が相続されます。
 内縁の夫から財産を相続するには、遺言による遺贈の方法があります。
                        (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 中島 圭太朗)

Q2‐4 相続分 ~遺産のもめごとには家裁を活用~

 私は、5人兄弟の長男です。父親はいくつか不動産を持っていましたが、数年前に亡くなりました。その際には母親が健在だったので、誰も相続の話題を切り出しませんでした。しかし、先日、母親も亡くなり、母親の法要の際に、5人兄弟の間で父親が持っていた不動産をどう分けるかで喧嘩になってしまいました。兄弟の間での話し合いでは話がまとまりそうにもありません。これから、どうしたらいいでしょうか。

A2‐4

 家庭裁判所で遺産分割の調停を申し立てる方法があります。
 お母様が亡くなった時点で、お父さまの不動産について、5人のお子さん方が5分の1ずつ相続分をお持ちです(→相続人・相続分についてはQ6・7へ)。
 相続人の間でお父さまの遺産の分け方の協議がまとまらないときには、家庭裁判所に、遺産の分け方を決めてもらう遺産分割の調停を申し立てることができます。調停では、家庭裁判所の調停委員に間に入ってもらい、それぞれの言い分を聞いてもらって、話し合いをします。調停でも話がまとまらなかった場合には、審判官(裁判官)がそれぞれの言い分を聞いて、遺産分割の審判を行い、審判に従って遺産を分割します。
 なお、遺産分割の調停を申し立てる場合、相続人の間で争いになっている問題によっては遺産分割調停ではなく、正式な裁判を経なければいけない場合があるなど、各種の注意点があります。遺産分割を検討されている方は、一度、弁護士に相談されてみることをお勧めします。
                        (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 中島 圭太朗)

Q2‐5 相続分 ~分けることができる財産とできない財産~

 私には夫と子ども1人おります。夫は時価1000万円の不動産と1000万円の預金を持っています。夫が亡くなったとき、私は夫の財産の半分を相続できると聞きました。私は、夫の財産の半分ですから、夫の財産全額2000万円の半分なので、1000万円の預金か1000万円の不動産のどちらか一方だけを相続するのでしょうか。

A2‐5

 夫が亡くなった場合、配偶者である妻が相続人になります(民法第890条)。また、お子さんがいらっしゃるときにはお子さんも相続人になります(民法第887条第1項)。
 「配偶者」と「子」が相続人のときには、「配偶者」の相続分は2分の1、「子」の相続分も2分の1です(民法第900条第1号)。
 ここで相続分という言葉を使いましたが、相続人は、亡くなった方の財産全体について一定の割合で財産を引き継ぎ,相続人の方々で財産全体をその割合に応じて共有します(民法第898条)。その割合のことを相続分と言います。ご相談いただいた方の場合,夫の全財産の価格が2000万円ですので、その2分の1である1000万円の相続分を相続します。具体的な財産毎で見ると、1000万円の不動産について2分の1の持分を相続し,1000万円の預金のうち500万円を取得します。預金か不動産の一方だけということではありません。
 ただ、ご相談いただいた方には合計で見ると1000万円の相続分があるので、お子さんとのお話し合いで、お母様が1000万円の不動産、お子さん1000万円の預金を取得するということも可能です(民法第907条第1項)。このように、相続分に従って遺産を分けることを遺産分割と言います。
                        (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 大嶋 一生)

Q2‐6 相続分 ~故人の預金、勝手に払い戻していいの!?~

 私には夫がいますが、子どもはもともといません。夫には両親が健在です。先日、夫が急死してしまいました。葬儀の後、夫がきっと私のために蓄えてきた預金300万円が見つかりました。この預金は私の生活費としてもいいのでしょうか。

A2‐6

 夫の預金について夫の両親も相続しますので、注意が必要です。
 民法上、亡くなった方の「配偶者」は常に相続人となります(民法第890条)。「子」も相続人になりますが、亡くなった方に「子」がいない場合には、亡くなった方の「直系尊属」(この場合は両親)も相続人となります。
 「配偶者」と「直系尊属」が相続人である場合、「配偶者」の相続分が3分の2、「直系尊属」の相続分が3分の1です(民法第900条第2号)。「直系尊属」にあたる両親がともに健在である場合には、父親と母親が均等に相続しますので、各々6分の1ずつ相続します(民法第900条第4号)。
 ご相談いただいた事案では、ご相談者が夫の預金300万円の3分の2である200万円を相続し、亡くなられた方の父親が6分の1の50万円、母親が6分の1の50万円を相続します。複数の相続人がいる場合に、亡くなられた方の預金全額引き出すと、他の相続人の預金(共有持分)を無断で引き出してしまうことと同じになってしまい、トラブルの元になりますので、注意が必要です。
                        (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 大嶋 一生)

Q2‐7 相続分 ~兄弟の相続権~

 私には、妻がおりますが、子どもはもともといません。私の両親や祖父母はすでに亡くなっており、弟2名がいずれも健在です。私にはいくらか蓄えがあるのですが、私に何かあったときには、妻に財産が相続されるのでしょうか。

A2‐7

 民法上、「配偶者」は常に相続人になります(民法第890条)。「子」も相続人になりますが(民法第887条第1項)、「子」がいない場合は、「直系尊属」(両親や祖父母など)が相続人になります(民法第889条第1項第1号)。
 現時点でご相談者がお亡くなりになった場合、まず配偶者である奥様は、相続人になります。また、お子さんがおらず、なおかつ、ご両親や祖父母も亡くなっているので、兄弟お二人も相続人になります。
 民法では、「配偶者」と「兄弟姉妹」が相続人の場合には、「配偶者」の相続分が4分の3、「兄弟姉妹」の相続分が4分の1です(民法第900条第3号)。「兄弟姉妹」の間では均等に相続します(民法第900条第4号)。ですので、奥様の相続分は4分の3、弟さん2人の相続分はそれぞれ8分の1ずつになります。
 奥様にのみ財産を相続させたいという場合には、遺言の利用が考えられます。
                        (弁護士 原 琢磨 ・ 弁護士 大嶋 一生)

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