遺言、相続に関する正確な情報提供をいたします。

Q&A 相 続

  

Q4‐1 相続放棄

 先日、私の父が亡くなりました。母は早くに亡くなっています。父方の祖父母も既に亡くなっています。父の子供は私一人です。父には多額の借金があるので、私は相続放棄をしようと考えています。私が相続放棄をすると、他の家族にどのような影響がでますか。

A4‐1

 あなたが相続放棄をすると、あなたははじめから相続人にならなかったものとみなされます(民法第939条)。ですから、あなたが相続放棄をした場合、お父さんのご両親が相続人となります。また、お父さんのご両親が既に亡くなっている場合、あるいはお父さんのご両親も相続放棄をした場合は、お父さんのご兄弟が相続人となります。
 このように、相続放棄によって同一順位の相続人が誰もいなくなると、次順位の人が相続人になります(民法第887条、第889条)。お父さんには多額の借金があるということでしたので、順番に相続放棄をなさるとよいでしょう。
                        (弁護士 小西 政広 ・ 弁護士 大嶋 一生)

Q4‐2 相続放棄 ~忘れた頃に請求書がきた!~

 先日、私の父が亡くなりました。父が死んだとき何も財産がなかったので放棄もせずに放置していたのですが、1年後、サラ金業者のアイコムから、父の借金300万円を支払うようにと催促のお手紙が私宛に届きました。私はこれを払わなければならないのでしょうか?今から相続放棄をすることはできますか。

A4‐2

 相続放棄ができる期間は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」(民法915条1項)です。通常、お父さんが亡くなったことをあなたが知った時から、3か月以内となり、それ以降は、原則として相続放棄をすることができません。
 もっとも、あなたが、お父さんに相続財産が全く存在しないと信じたことに相当な理由がある場合には、例外的に、アイコムから請求が来た時点から、3カ月間は、相続放棄をすることができる場合があります(最高裁昭和59年4月27日判決)。この判例と異なるケースにおいても相続放棄が認められる場合はありますが、事例ごとの個別の検討が必要ですので、まずはご相談ください。
                        (弁護士 小西 政広 ・ 弁護士 小倉 泰彦)

Q4‐3 相続放棄 ~故人の債務が調べ切れません!~

 先日、私の父が亡くなりました。父にはある程度財産がありますが、個人事業主であり、いくらかの債務もあるようです。債務が多額に上るかもしれませんが、私は相続放棄するべきでしょうか。

A4‐3

 家庭裁判所に請求することで、相続放棄をするかどうかの期間を延長することができます(民法915条1項但書)。また、相続によって得たプラスの財産の限度で、マイナスの財産を支払うこととする、限定承認という手続もあります(民法922条)。
 いずれの手続を選択するかは、個別の事案ごとの検討が必要ですし、個人では財産調査にも限界がありますので、まずは弁護士にご相談ください。
                        (弁護士 小西 政広 ・ 弁護士 小倉 泰彦)

Q4‐4 相続放棄 ~相続放棄、やっぱりやめる!?~

 先日、私の父が亡くなりました。私は、父が生前、ギャンブルばかりやっており、当然借金まみれだと思っていたので、家庭裁判所で相続を放棄しましたが、多額の預貯金を持っていたことがわかりました。相続放棄は撤回できるのですか。

A4‐4

 原則として相続放棄の撤回はできません(民法919条1項)。詐欺による相続放棄や、成年後見人による相続放棄は取り消すことができますが(同2項)、本件のように相続財産の内容について勘違いしていた場合については、裁判例では、相続放棄の無効は認められない傾向にあります。
                        (弁護士 小西 政広 ・ 弁護士 小倉 泰彦)

Q4‐5 相続放棄 ~相続放棄、実際どうやるの?~

 先日、私の父が亡くなりました。父の事業を債務も含めて兄が引き継ぐため、私は相続の放棄をして、兄にすべての財産を相続させるという話を兄としています。兄は私に「相続放棄確約書」にサインをすれば相続放棄になるから心配ないと言います。本当にそれで大丈夫なのでしょうか。

A4‐5

 不十分です。
 相続放棄の意思表示は、一定の書式によって、お父さんの死亡時の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申述しなければなりません(民法938条)。また、相続放棄の期間は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に限定され、期間も短いので、他人に任せず、ご自身で家庭裁判所に問い合わせるか、弁護士などの専門家にすぐに相談してください。
                        (弁護士 小西 政広 ・ 弁護士 小倉 泰彦)

Q4‐6 相続放棄 ~相続放棄の期間制限~

 先日、私の父が亡くなりました。父の財産と負債の状況の調査が終わらず、相続放棄をするかどうかを3か月以内に決定できません。どうしたらいいですか。

A4‐6

 相続放棄をするかどうかを決める期間は、期間内に家庭裁判所に請求することによって、伸ばすことができます(民法915条1項但書)。
                       (弁護士 小西 政広 ・ 弁護士 小倉 泰彦)

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