遺言、相続に関する正確な情報提供をいたします。

Q&A 相 続

  

Q6‐1 寄与分 ~献身的看病は報われるか~

 父が亡くなりました。相続人は、私と弟の二人だけです。私は、父の生前、入院中の父の看病をしていましたが、弟は、病院に顔を見せませんでした。私としては、父の看病をした分、多くの相続分が認められても良いのではないかと考えていますが、私と弟の相続分は同じなのでしょうか。

A6‐1

 民法には、相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加について「特別の寄与」をした者があるときは、「寄与分」を加えた額をその者の相続分とする旨の定めがあります。したがって、この「寄与分」が認められる場合には、被相続人の財産の維持または増加に寄与した相続人には、より多くの相続分が認められることになります。もっとも、この「寄与分」が認められるには、相続人が「特別の寄与」をした場合でなければならず、相続人としての当然の寄与というレベルでは、寄与分が認められません。
 本件のように入院中の父親の看病をしたという程度であれば、子としての当然の寄与といえるでしょうから、「特別の寄与」には当たらず、寄与分が認められないのが通常でしょう。よって、あなたと弟の相続分は同じ2分の1ずつとなります。
                        (弁護士 宮崎 正直 ・ 弁護士 田中 康道)

Q6‐2 寄与分 ~夫の店を支えたのは私です~

 夫が亡くなりました。私と夫の間には子がおらず、相続人は私と夫の2人の兄弟です。夫は生前、飲食店を経営しており、夫が脳梗塞で倒れる3年前までは、夫婦二人三脚で店を切り盛りしていました。夫が倒れて以降も、何とか私一人で店を守り生活費や夫の療養費用を捻出して来ました。先日、夫の兄弟が、夫の遺産の4分の1は自分たちの相続分であると言って、遺産の分割を求めて来ました。私はこの要求に応じなければならないのでしょうか。

A6‐2

 民法には、「寄与分」という制度があることは前述のとおりです。本件の場合、あなたは、被相続人が倒れた後も一人で店を切り盛りしていたのですから、被相続人の財産の維持のために「特別の寄与」をしたといえ、寄与分が認められる可能性が高いでしょう。よって、あなたの相続分は、夫の相続財産から「寄与分」を引いた額の4分の3に「寄与分」を加えた額になります(民法第904条の2第1項)。そのため、必ずしも上記要求に応じる必要はないでしょう。
                       (弁護士 宮崎 正直 ・ 弁護士 北澤 慎之介)

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